ご覧いただいた皆さんへ
 茨城県立IT未来高等学校のページをご覧いただき、ありがとうございます。
 
 昨年4月に開校した茨城県立IT未来高等学校は2年目を迎えることができました。1年目は、本校を志望する中学生だけでなく、地域に皆様にも多数来校していただき、生徒たちが頑張っている様子を見ていただくことができました。
 
 去る令和6年4月9日(火)には入学式を挙行し、新たに64名の新入生を迎えております。今年も、北は常陸大宮市、東は鹿嶋市、南は取手市、西は結城市と、県内全域から集まり、県外を含めて14市町35中学校から入学してくれました。
 
 ITスキルを身につけた生徒たちを育成し、社会に送り出していくことはもちろんですが、在学中から地域課題の解決にも関わらせ、地域の皆さんのお力もお借りしながら、育てていきたいと思いますので、今後とも変わらぬご支援とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
 
令和6年4月1日
茨城県立IT未来高等学校 校長 津賀  宗充 
 
令和6年度入学式 式辞

 桜の花も満開となり、木々の柔らかな芽吹きが美しい本日ここに、多くの来賓の皆様のご臨席を賜り、茨城県立IT未来高等学校の入学式を挙行できますことは、教職員一同大きな喜びとするところであります。ただ今、入学を許可いたしました、64名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。また、今日まで限りない慈しみをもって、お子様の成長を支えてこられた保護者の皆様に、心からお祝いを申し上げます。

 本校は、「豊かな人間性と起業家精神を兼ね備えた、次世代を担うIT人財を育成する」ことを教育目標として、昨年4月に開校いたしました。この教育目標の実現のために、皆さんが学び、成長できる環境を整え、1期生とともに、様々な課題に向き合い、挑戦してまいりました。

 今日から、皆さんも、その仲間になります。その君たちに、次の2つのことをお願いします。

 1つは、「デジタルものづくり」に興味を持ち、積極的に取り組み、楽しんで欲しいということです。本校は「ものづくり」の学校です。何も工業製品や農産物を作ることだけが「ものづくり」ではありません。形はなくとも、デジタルを活用して新しいサービスや、これまでにない新しいコンテンツを創造することも「ものづくり」です。そのためには、小中学校で学んできたプログラミングを基礎に、社会に出たときに自分の強みとなるITスキルを身に付けることが大切になります。その先には、広く、深いデジタルの世界が待っています。その世界に踏み出す第一歩が本校なのです。

 もう1つは、「コトを起こす」ということを恐れず、果敢に取り組み、常に意識して欲しいということです。君たちは、それぞれに実現させたい夢を持ち、それに一番近い道と考え、本校を選んでくれたと思います。その夢の実現には、ITスキルだけでなく、どこかで、自分で「コトを起こす」ことが求められます。昨年入学した1期生は、「こんな風にすれば学校がより良くなる」「もっと工夫をすれば学校生活がより楽しくなる」と考える生徒が多く、実際に行動しています。先生方も、1期生の「コトを起こす」思いを大切にし、その実現に向けて一緒に考えてくれています。君たちも、1期生と一緒に、より良い学校づくりに参加してください。その積み重ねが、君たちを成長させ、充実した高校生活になるとともに、社会に出て通用する人間に変えていきます。

 最後に、仲間たちと学校生活を送る上で、大切なことが1つあります。エッセイストであり、イラストレーターでもある中山庸子氏の言葉に、「自分に似ている人からは、共感が得られます。自分に似ていない人からは、教訓が得られます。」があります。人は誰でも、「話を聴いて欲しい」「共感して欲しい」という思いを持っています。気心の知れた友だちと一緒にいる時間が楽しいのは、互いに共感が得られる関係だからでしょう。一方で、社会は多様な人で構成されており、自分に「似ていない」人が圧倒的に多くいます。そして、自分以外の誰もが、自分の持っていないものを持っています。その違いに気づき、得られたことを教訓として自分の生き方を振り返ることができれば、大きく成長できます。学校はよく「小さな社会」に例えられます。真剣に勉強に取り組むのはもちろんですが、県内各地から集まった仲間たち一人一人を尊重し、互いに認め合い、学び合う姿勢を持って、学校生活を送ってください。

 以上、2つのお願いと、1つの大切なことを申し上げました。時には、若さゆえに失敗することもあると思います。しかし、失敗を糧にして、前に進むことを忘れなければ、より成長していけるはずです。先生方も、皆さんの夢を実現するために、とことん付き合ってくれる方ばかりです。先生方を信じて、頑張ってください。

 保護者の皆さま、只今申し上げましたような、3つのことにつきまして、よろしくご理解とご支援をいただき、また、高校時代は社会的自立に向けた厳しい訓練期間と捉え、学校と連携をとりながら、子ども達を見守り、支えていただきますよう、お願い申し上げます。私たち教職員一同、生徒達それぞれの夢の実現に向けて、最善を尽くして参りたいと思います。

 結びにあたり、本日ご臨席を賜りました皆様に改めて御礼申し上げ、新入生の皆さんにとって、明るく健やかで、充実した学校生活がこれから繰り広げられるであろうことを期待しまして、入学に当たっての式辞といたします。

 

令和6年4月9日     
茨城県立IT未来高等学校長
津賀 宗充