茨城県立IT未来高等学校
茨城県立IT未来高等学校
桜の花も満開となり、木々の柔らかな芽吹きが美しい季節となりました。本日ここに多くの来賓の皆様のご臨席を賜り、茨城県立IT未来高等学校の入学式を挙行できますことは、教職員一同大きな喜びであり深く感謝申し上げます。
ただ今、入学を許可された、72名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
新入生の皆さんは、ご家族をはじめ、これまでご指導いただいた皆様の支えがあって、今日という日を迎えられました。本日から始まる高校生活の第一歩を、感謝の気持ちとともに、未来への希望と期待を胸に、新たな一歩を力強く踏み出してください。また、お子様の成長を支えてこられた保護者の皆様に、心からお祝いを申し上げます。
本校は「豊かな人間性と起業家精神を兼ね備えた、次世代を担うIT人材を育成する」ことを教育目標として、令和5年に開校いたしました。
この教育目標の実現のために、皆さんが学び、成長できる環境を整え、1期生、2期生とともに、様々な課題に向合い、挑戦してまいりました。その結果、先輩方は全国のコンテスト等で優秀な結果を残し、大阪・関西万博会場において発表するグループもでてきました。今日から、皆さんも、3期生としてその仲間になります。
これからの社会は、明日は何が起こるか分からない予測できない時代に突入していきます。また、日本においてIT人材が足りておらず、IT技術がますます重要になります。この予測困難な時代の変化に主体的に関わり、さまざまな社会課題に対応するために、自分で課題を発見し、解決していく力が必要になってきます。
皆さんは、この学校でITの基礎から応用までを学び、社会で活躍できる力を身につけてください。そして、主体的に学び、挑戦することをためらわずに、失敗を恐れず新しいことに挑戦してください。夢や目標を持ち諦めずに努力し続けることで、未来を切り拓いてください。
IT未来高等学校は、情報技術の発展とともに、社会に貢献できる人材を育成してまいります。
そこで、本校での高校生活のスタートにあたり幾つかのお願いを申し上げます。
ひとつは、米国の教育界でも重要視されている「やり抜く力」を身に付けてもらいたい。
「やり抜く力」は「情熱」と「粘り強さ」の二つの要素から成ります。「情熱」とは、自分のもっとも重要な目標に対して、興味を持ち続け、ひたむきに取り組むこと。「粘り強さ」とは、困難や挫折を味わってもあきらめずに努力を続けることです。人々がそれぞれの分野で成功し、偉業を達成するには「才能」よりも「やり抜く力」が重要であると言われています。また、偉大な人と普通の人の決定的な違いは「動機の持続性」と言われています。皆さんはITを学ぼうと、IT未来高等学校を選んだ動機は素晴らしい判断だと思います。是非、持続させてください。
「やり抜く力」は自分の選んだ道で成功するためでなく、人生という長いマラソンを走り続けるために、すべての人にとって重要になります。山あり谷ありの人生を、幸福感を失わずに生きていくには、目の前の困難や挫折を乗り越えるだけでなく、自分なりの大きな目標と、興味と、希望が重要になります。私たちは何歳になっても自分自身の「やり抜く力」を伸ばすために互いに手を差し伸べることが必要になります。
やり抜く力は、自分にとってかけがいのないことに取り組んでこそ発揮され、ひたむきに頑張れます。
もうひとつは、「人生で成功する秘訣の80%は、めげずに顔を出すこと」元米国大統領ジョージWブッシュが引用した言葉になります。皆さんも学校や部活は楽しいことばかりでなく、大変なこともあるかと思いますが、「今日、必死にやる」より「明日、またトライする!今度こそもっとがんばろう」という気持ちで頑張ってください。「継続は力なり」の一語に尽きます。
最後に、令和7年度茨城県立高校進学学力検査の受検者数は約1万6千人でした。その中で、皆さんは県内外各地39中学校から集まったかけがいのない仲間です。同級生一人一人を尊重し、互いに認め合い、学び合う姿勢を持ち、更には地域の方々との様々な交流を通して、新たな人間関係を広げるアプローチをしてください。
以上、お願いと大切なことを申し上げました。
さて、皆さんの高校生活には、多くの学びと成長の機会が待っています。時には壁にぶつかることもあるかもしれません。しかし、安心してください。IT未来高等学校の先生方は、皆さんの目標実現のために、とことん付き合ってくれる、情熱と経験豊かな方ばかりです。皆さんが困難に立ち向かう際には、親身になって相談に乗り、具体的なアドバイスを与えてくれます。皆さんが積極的に質問し、自分の考えを伝えることで、先生方はその期待に応え、全力でサポートしてくれます。先生方を信じ、勇気をもって一歩を踏み出してください。私たち教職員一同、皆さんの成長を心から応援しています。
保護者の皆さま、只今申し上げました、本校の教育につきましてご理解いただくとともに、学校、地域、家庭が共に連携してお子様の教育にあたれるよう、ご支援とご協力をお願い申し上げます。
結びにあたり、本日ご臨席を賜りました皆さまに改めて御礼申し上げます。新入生の皆さんとともに、IT未来高等学校の未来を創造していくことを楽しみにしています。皆さんの毎日が喜びにあふれ、楽しく充実した高校生活となることを期待し、式辞といたします。
令和7年4月8日
茨城県立IT未来高等学校長
武伺